普通の生活に憧れていた
ずっとお金はマイナスの人生でした。
小さな頃からマイナスは当たり前。
「反面教師」なんて言葉はどこへやら。
私はそのまま、すくすくとマイナス生活を継承し、大人になりました。
給料日が来ても、お金は返済へ一直線。
それが私の”普通”でした。
でも、本当はずっと憧れている世界がありました。
家電が壊れたら、
「じゃあ買い替えようか。」
コートが古くなったら、
「今年は新調しよう。」
イベントごとも、お金を気にせず思いっきり楽しめる。
そんな何気ない生活です。
そして、私が密かに憧れていたのが、親子のこんなやり取り。
「いや、今日は私が出すから。」
「いやいや、ここはいいよ。」
あの謎のやり取りが素敵すぎて、
「私も一回でいいからやってみたーい!」
と、いつも羨望の眼差しを送っていました。
憧れとは程遠い現実
一方、現実はというと……
給料が入っても返済であっという間に消えていきます。
生活費が足りないので、結局クレジットカードに頼る。
そしてまた返済。
完全に負のスパイラルの真っ只中でした。
キャッシュローンも、少し返済して元金が戻ると、
「お、貯まってきた♪」
……と、おろす。
いやいや。
今なら分かります。
それ、貯金じゃない。
借りられる枠が戻っただけです(笑)。
さらに、追い打ちをかけるように、想定外の出費まで絶妙なタイミングでやってきます。
そして雪だるまは、びっくりするスピードでどんどん成長。
「誰か私の人生でドッキリでも仕掛けてる?」
そう思いたくなるくらい、タイミングが良すぎました(笑)。
でも私は、そんな生活ばかり送ってきたので、もはやベテラン。
逆の意味で最強でした。
「まぁ、仕方ないか。」
はい。
毎回この一言で終了です。
……今思うと、なかなかイタいです(笑)。
本当はずっと苦しかった
でも、「まぁ仕方ないか」で片付けていたのは表面だけでした。
給料日は嬉しい日のはずなのに、私にとっては支払いの日。
喜ぶ間もなく、お金は次々と旅立っていきます。
「また今月も返済のために働くのか。」
そんなため息が毎月のお決まりでした。
友達は旅行へ行き、ライブへ行き、欲しいものを買う。
しかも、現金即払い。
「いいなぁ。」
もちろん、身から出たサビなんですけどね(笑)。
それでも思っていました。
「私はいつ、あっち側へ行けるんだろう。」
普通の生活。
私が欲しかったのは、本当にシンプルなものでした。
ナマケモノの私が負けた日
そんな生活を何年も続けていたある日。
私の中で、一つの思いがどんどん大きくなっていました。
「生きているうちに、一度くらい普通の生活を送ってみたい。」
すると同時に、心の中のもう一人の私も参戦。
「もういい加減にしてーー!!」
鬼の形相です(笑)。
その二人が一気に攻めてきた結果……
ナマケモノ側の私が、ついに負けました。
普通の生活を、一度でいいから味わってみたい。
動機は、本当にそれだけでした。
見たくなかった扉を開ける
まず最初にやったこと。
それは現状把握でした。
これがまぁ嫌で嫌で。
開かずの扉ならぬ、
「開けたくない扉」です。
でも、この扉を開けないから私は何年もズルズルきたんだろうな。
そんな気持ちもありました。
重たい手を動かして、お金用のノートを取り出します。
カード会社のマイページを一つずつ開き、借入額を書き出す。
そして最後に、利息。
ここで私は固まりました。
私の場合、毎月15,000円返済していました。
でも、そのうち元金はたった5,000円。
残り10,000円は利息。
「めっちゃ取られてる……。」
今まで返済してきた年数を掛け算してみました。
愕然としました。
あれだけ払ってきたのに、元金はほとんど減っていない。
「私は一体、何をしていたんだ。」
血の気が引きました。
堅実に返済だけしていれば、とっくに終わっていたのに。
後悔、後悔、後悔。
しばらく立ち直れませんでした。
でも、そのあと不思議とスイッチが入ります。
「もう、お金をこれ以上持っていかれてたまるか。」
もちろん、カード会社が悪いわけではありません(笑)。
契約どおりです。
でも当時の私は、
「もうあなたたちの思惑にはハマらないぞ!」
と、一人で勝手に闘志を燃やしていました。
こうして私の、
カード会社との”謎の戦い”が始まったのです。
おわりに
あの日、勇気を出して開けた「見たくなかった扉」。
あれが、私の人生を変える最初の一歩になりました。
でも、現状を知っただけでは人生は変わりません。
ここから私は、返済を続けながら生活そのものを立て直すことになります。
家計のこと。
お金との付き合い方。
そして、自分自身との付き合い方。
勢いだけで始めた”カード会社との謎の戦い”が、まさか人生をここまで変えることになるなんて、このときの私はまだ知る由もありませんでした。
その話は、また次の記事で。

